|
3月議会において私の一般質問で「事前協議或いは、事前審査の禁止という思い込みが執行部と議会の情報共有や意思疎通を阻害する原因になっているのではないか。」と質問した。その後5月13日、町から議員全員に『議会との議案等の事前審査について』が配布された。そこで示された結論は、「全員協議会において議案の説明を受けることは可能だが、執行部の説明に対し質疑や討論を行う事は本会議や委員会における権限まで立ち入ることとなり、協議等の場の目的を超えており、事前協議に該当することとなるため行う事はできない。」とある。これは、「議会は、執行部の説明を聞くだけで議決を行え」ということになる。重要事案に対し、執行部は「説明はした」、議会は「町民代表の意見交換の場がない」となる。
執行権のある町長と議決権のある町民代表である議員という関係で行われる本会議の議案について、公開を原則とする地方自治法第115条を根拠に行政実例などでは「事前審査・事前協議の禁止」という解釈がある。しかし、この度配布された見解は、町民の意見が反映されなくなるのではないかという懸念が生じる。執行部としては原則、行政実例などの見解に沿っての議会対応や答弁を行わなければならない心情は理解できる。また、議会と執行部が議案提出前になれ合いにならないよう、更に実質審議にならないように節度を持つことは必要である。
総務省は、「行政実例の見解運用は、個別事案に対し各自治体に委ねられている。」としている。
そこで以下4点について伺う。
@ 「事前審査・事前協議の禁止」は法的拘束力があると考えるか。
A 議員必携190ページ:全員協議会は、「(3)町村長による事前説明及び意見の聴取:「行政運営上の重要問題、企業誘致や開発行政に関連した対外折衝関連事項等について意見を求める場合もある。議員にとって、行政内容あるいは提出議案について、理解を深める機会にもなっているが、本会議や委員会と同様の実質審議となることがないよう、節度を持って運用すべきである。」とあるが、現実には質疑を行っている。この実際は115条の対応が自治体に委ねられているからに他ならないが、「行政運営上の重要問題、企業誘致や開発行政に関連した対外折衝関連事項等について意見を求める場合もある。」と説明されている。この様な対応もできるはずである。
町長の見解を伺う。
B 総務省に下記質問状を送り、その回答を得た。
質問1:地方自治法第115条は公開を原則とするが、公開できない場合もある、という法律ではないか。
回 答:地方自治法第115条での「会議」は、本会議を指しているため、委員会・全員協議会は適用されない。
質問2:執行部と議会は意見交換をしてはならない、という法律なのか。
回 答:115条は「意見交換をしてはならない」という法律ではない。法的には、議案が提出されてからのものであり、提出されてからは、質疑への説明、賛成・反対討論後、議決のみ
質問3:意見交換による原案作成や政策立案はできないという法律か。
質問4:法律に「事前協議・事前審査の禁止」という文言が無いのに禁止という制約をかけることは可能か。
回答3,4:「議案審査権」については、第109条で委員会についての定めで、議案が出てからでないと審査は行う事ができない。
質問5:これらの解釈は法的拘束力があるのか。
回 答:行政実例の見解は、法的拘束力は無い。
質問6:議会と執行部は、力を合わせより良い地方自治を行うための関係ではなく、議会はことさら執行部に対する監視機能ばかり強調することになるのではないか。
回 答:財産処分については、首長の権限。個別の議会対応は、各自治体に委ねる。
その他回答:配布された『議会との議案等の事前審査について』下段「地方議会事務提要抜粋」の《行政実例:昭和25.5.12》は、地方自治法第109条:委員会における定めであり、総務省の課長が述べているもの。115条にまで関係する判断は、町長の判断になる。
との事である。つまり、行政実例の見解は法的拘束力は無く、個別の議会対応は、各自治体に委ね、115条にまで関係する判断は、町長の判断になる。と述べている。
町長の判断を伺う。
C 執行部と議会が町政運営において、より発展的な関係を築くために慎重にお考え頂きたい。
115条についての各種禁止見解を厳格に運用することは、執行部と議会の情報共有と意思の疎通を阻害するばかりか、力を合わせより良い町政を行うための関係ではなく、議会は殊更執行部に対する監視機能ばかり強調し対立関係に置くことになる。それでも良いのか。
町長の見解を伺う。 |